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「朝霧高校機動射撃部、新入部員募集中」
20世紀末。ユーラシア中央部を始めとして世界各地に現れた「ネスト」より、未知の敵「XX=イクシス」が出現。人類は新たなる脅威に直面した。
緒戦の電撃的奇襲と物量、未知の能力により、一時は危機的な状況に立たされた人類だったが、各国軍の奮戦によって辛うじて防衛線を確立。封じ込めに成功した。
しかし、それは戦争に対する意識の変容を一般大衆にもたらした。各国に現れた無数の小規模「ネスト」による同時多発的・持続的な襲撃により、人々は未知の敵との恒常的な戦闘を強いられることになり、「戦争」に対する当事者性を強く認識せざるを得なくなったのだ。「戦争は日常のすぐそばに存在する」と。
そして現在。この国には、民間防衛の一助として設立された「指定防衛高等学校」に通う生徒たちがいた。「日常と隣り合わせの戦争」が当たり前の若い世代だ。彼らは学校生活を送りつつ、有事には防衛戦闘の最前線へ向かう立場だったが、屈託なく状況を受け入れ、青春を送っていた。……しかし、そんな青春すら許されない深刻な脅威が迫っていた。
彼らは生きる、ささやかで危うい「この日常」を。彼らは銃を取る、まだ知らぬ「本当の日常」を取り戻すために。